2023/12/22

食べる力を取り戻す「摂食嚥下リハビリ」

<脳卒中の後遺症、摂食嚥下障害>


 食べ物をそしゃくして、ごくんとのみ込む──普段は自然にできている行為が、脳卒中(脳梗塞(こうそく)、脳出血、くも膜下出血)などの後遺症でうまくいかなくなるのが「摂食嚥下(えんげ)障害」です。この障害が引き起こす「誤嚥性肺炎」は、日本人の死因の上位に入ります。

2023/11/20

身体的な要因で生じる意識障害「せん妄」

 <認知症と全く異なる病気>

 せん妄とは、身体疾患または全身状態の変化によって起こる、興奮や幻覚、不眠、認知機能低下などを起こす「一過性の意識障害」です。代表的な症状として「ぼんやりして話のつじつまが合わない、反応が鈍い」「場所や時間が分からなくなる」「怒りっぽい、興奮する」「そこにはないものが『見える』と言う」などがあります。興奮や幻覚が目立つ過活動型と、ぼんやりした様子で認知機能の低下が目立つ低活動型に分けられます。

2023/10/20

糸くず状のものが見える飛蚊症、網膜剥離の恐れも

<そもそも飛蚊症とは?>

 目の前にときどき、黒や白っぽい糸くず状のものや、虫のような黒い影が飛んでいるように見えることがありませんか? 白い壁や青空を見ている時などに顕著に現れますが、この症状を「飛蚊症」といいます。

2023/09/21

沈黙の臓器・肝臓、早めに検査・治療を

<自覚症状なく病状進行>

 肝臓は、成人でおよそ1500gもあるヒトの臓器で最大の器官です。血液によって運ばれてくる栄養分を蓄えたり、それらを体に必要な別の物質につくり変えたり、また、血液中に入り込んだ体に有害な物質を分解し、無毒化する働きなど、重要な役割を担っており、「人体の化学工場」といわれています。

2023/08/20

諦めないで「便失禁」多様な治療の選択肢


<高齢者の約1割が悩む便失禁>

 排便の抑制がきかず、無意識のうちに、または、意思に反して便が排せつされることが度々起こる状態を「便失禁」といいます。知らず知らずのうちに下着を汚してしまうような便失禁や、排便を我慢しようと意識しているにもかかわらず、トイレに間に合わず漏らしてしまう便失禁があります。患者さんは高齢者に多く、日本では65歳以上の男性の8・7%、女性の6・6%が該当するという調査結果があり、高齢者全体の約1割に及びます。

2023/07/20

チーム医療で復帰支える「回復期リハビリ」

<リハビリの質で回復具合に差>

 回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患や骨折などで、手術など急性期の治療を終え、病状が安定し始めた患者さんが集中的にリハビリを受けるための病床です。回復期は、後遺症のある人にとって最も回復が期待できる重要な時期で、低下した能力の回復や日常生活動作の改善など、日常・社会生活に復帰することを目指します。

2023/06/20

「見えない障害」、高次脳機能障害とは?

<50万人以上が悩む認知機能の障害>

 高次脳機能障害は、交通事故のけが(頭部外傷など)や脳卒中、脳腫瘍などの病気で、脳の一部が傷ついたことで起こる認知機能の障害です。子どもから大人まで、誰にでも起こり得る脳の障害で、全国に50万人以上の患者さんがいると推計されています。症状は、①「忘れる」「覚えられない」などの記憶障害、

2023/05/21

「不眠症」について原因を探り、習慣を改善

<治療の基本となる睡眠衛生指導>

 日本では5人に1人の割合で不眠の訴えがみられます。そのうち日中の眠気などで生活に支障を来している場合には「不眠症」と診断されます。平均的な睡眠時間は、25歳で7時間、45歳で6.5時間、65歳では6時間程度です。適切な睡眠時間は人それぞれなので、これより短くても日中に支障がなければ問題ありません。

2023/04/20

病状により手術が必要な「黄斑前膜・黄斑円孔」

「硝子体手術が唯一の治療法」

 眼球はカメラと同じような構造になっています。瞳孔から入った光がフィルムの役割をする網膜に当たりますが、その真ん中を黄斑部と呼び、視力に関わる重要な部分です。
 この黄斑部に膜が張る病気を「黄斑前膜」といいます。目の中にあるゼリー状の硝子体が加齢とともに液化して網膜からはがれていきますが、その一部が残って徐々に膜になっていきます。

2023/03/19

「温水洗浄便座」おしりの洗い過ぎに注意

「使い方で、便漏れや皮膚炎も」

 ノズルから噴射される水でおしりをきれいにする「温水洗浄便座」。快適で気持ちがいいため、毎日習慣で利用している人も多いと思いますが、不適切な使い方を続けると、便漏れや肛門周辺のかゆみや痛みといったトラブルが起きることもあり、注意が必要です。

2023/02/19

感染性腸炎とは?治療と感染対策のポイント

「原因となる病原体は多種多様」

 感染性腸炎とは細菌やウイルス、寄生虫などの病原体が腸に感染してさまざまな消化器症状を引き起こす病気です。多くは食品や飲料水を通して経口的に病原体が体内に入ります。そのほか、病原体が付着した手で口に触れることによる感染、感染者の吐しゃ物や便の処理時の感染などがあります。

2023/01/22

命を守る40代からの胃・大腸内視鏡検査

「がん検診は不要不急ではない」

 国立がん研究センターがん統計による2021年のがん死亡統計で胃がんは男性では3位、女性では5位。大腸がんは男性2位、女性1位です。日本では毎年約100万人ががんと診断されますが、医療の進歩によって、早く治療を開始すれば「治る病気」になってきました。

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