2022/10/26

全身の健康にも悪影響「口腔機能低下症」

衰えのサイン、見逃さないで

 最近、以前に比べて「食べ物が口に残る」「硬いものが食べにくい」「食事の時にむせる」「薬が飲み込みにくい」「口の中が乾く」「食べこぼしをするようになった」「滑舌が悪くなった」などと感じている方は要注意です。これらの症状は、口の健康が悪化しているサインで、専門的には「口腔機能低下」と呼びます。
 口腔機能低下の要因としては、加齢や全身のさまざまな病気もありますが、むし歯や歯周病が進行し、歯がぐらついていたり歯の本数が減ってしまっていたり、また、入れ歯や銀歯が合わなくなっていたり、口の中に原因があるケースが多いです。
 口の機能が低下すると、好きなものが食べられなくなったり、食べにくい野菜や肉を避けたりするようになり、栄養の偏りやエネルギー不足を引き起こします。結果、体力が落ちて元気が出なくなり、疲れやすく病気にもかかりやすくなります。また、口が乾燥して口臭が強くなったり、滑舌が悪くなって話しにくくなったりすることで、人と会うことに不安を感じ、外に出掛けることを億劫に感じて家にこもりがちになってしまうケースも目立ちます。
 このようにお口の健康は全身の健康に悪影響を及ぼします。歯科医院では、簡単な検査で口の健康度・元気度を調べることができるので、上手に利用してほしいと思います。



歯科医院で診断・治療可能



 【舌についた汚れの量】【お口の乾燥状態】【かむ力】【舌と唇の動き】【舌の押す力】【かめているか】【飲み込めているか】、これら7つの項目について歯や舌の状態、だ液、発音などを調べ、3項目以上に問題がある場合に「口腔機能低下症」と診断されます。
 治療は、口腔機能低下を引き起こしている原因を見つけ、それを取り除くことでお口の健康を取り戻していきます。例えば、むし歯や歯周病が原因と分かったら、進行の程度に合わせて適切な治療を行い、入れ歯や銀歯が原因であれば、調整したり作り直したりします。口周りや舌の筋力をアップする口腔体操を指導し、かむ力や飲み込む力を鍛える場合もあります。また、口の中以外に原因があると考えられる場合は、患者さんのかかりつけの内科と連携して対策を立てます。
 繰り返しになりますが、お口の健康が全身の健康につながります。お口の衰えを年のせいとあきらめて放置せず、気になることがあればまず歯科医に相談してみてください。




医療法人社団 アスクトース 
石丸歯科
内山 喬博 副院長
●2010年北海道医療大学歯学部歯学科卒業。12年北海道医療大学歯科内科クリニック歯科医師臨床研修科修了、同年医療法人社団アスクトース 石丸歯科診療所勤務。
●医療法人社団 アスクトース 石丸歯科
 札幌市中央区南1条東2丁目南1条タカハタビル6F
https://www.ishimaru-dc.com/

人気の投稿

このブログを検索